頭痛外来

頭痛に苦しんでいる方は大変多いのですが、自己流で間違った薬の選択や飲み方を続けてしまい、その結果うまく痛みをコントロールできず我慢しながら生活している人が大半と言われています。頭痛持ちの方は脳神経外科医や神経内科医から正しい診断を受け、正しい治療を受けることが大切です。特に片頭痛の女性では正しい診断を受けていないために「薬物乱用性頭痛」になっている方を多く見かけます。たかが頭痛と思い放っておくと、脳の過敏性が増してこじれてしまい、治療が困難になっていきます。CT検査やMRI検査で脳内に異常がないことをはっきりさせて安心したうえで、そのあとの治療を適切に行なえば日常生活の質を確実に上げる事ができるのです。頭痛には片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛を始めとして多くの種類が知られています。きちんとした診断と適切な治療を行い、頭痛から開放されるための方針決定をするのが頭痛外来の役割です。

頭痛外来

頭痛には一刻を争う命にかかわる頭痛と、命にはかかわらないけれども生活の質を大きく低下させる頭痛とがあります。前者は脳内の病気で、クモ膜下出血や脳出血、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎などがあり、それぞれの病気の臨床的特徴や症状、画像診断で診断することができます。後者は画像診断には現われてこない病気で、問診など専門医の診察で診断されます。代表的なものに片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。頭痛外来に来られる方のほとんどがこの後者のグループに属する方々です。実際には頭痛の種類は数百種類もあり簡単に語ることはできないのですが、ここでは最も頻繁に見られるこの三種類について簡単にご紹介します。


「片頭痛」とは

片頭痛」は次のような特徴を持った大変つらい頭痛発作です。その特徴とは大まかに述べると次のようになります。

  1. 頭の片側(または両側)や目の奥などがひどく痛み、日常生活に影響が出る。できれば横になって休みたいくらいの強い痛みである。(ズキズキと脈打つ様に痛むことや締めつけられる様に痛むことがある)
  2. 頭痛のピークには吐気を伴うことが多く、ひどい時は嘔吐することもある。
  3. 頭を動かしたり、歩いたりする日常動作で響いたり、痛みが強くなる。
  4. 周囲の光やテレビなどの音、匂いなどに過敏になり、暗い静かな部屋で休みたい。
  5. この頭痛発作は1ヶ月に数回~数ヶ月に1回おこり、数時間(長いときは数日間)持続する。睡眠をとると楽になる。だらだらと何週間も続くことはない。
  6. 前触れとして、頭痛が始まる前に急に肩やくびが張ってきたり、生あくびが出たり、気分が悪くなることがある。視野にきらきらするようなものが見えて、視界がぼやけるような症状が15―20分程度持続することがある。雨などの天候に左右される。
  7. 月経の時期や生理痛と関連がある。遺伝的要素がある。週末に起こりやすい。
  8. 片頭痛治療薬トリプタン製剤が非常に有効である。内服薬以外に、点鼻液、注射、自己注射キットなどがあり、それらを使い分けて治療を行う。

「片頭痛」は大変つらい病気です。

けれども日本には頭痛くらいで病院を受診したり欠勤するのは大げさだという風潮があります。また片頭痛という病気自体が正しく知られていないため市販薬で済ませたり、病院を受診しても診断があいまいなまますまされることも多々ありました。けれども現在は片頭痛の「特効薬」が開発され、それを正しく服用することでうまく付き合うことのできる病気になったのです。

「片頭痛」は大変つらい病気です。

片頭痛」は脳を包む硬膜の血管が拡張し、血管周囲の神経から痛みの物質が放出されて炎症が広がり悪化してゆく頭痛です。特効薬トリプタン製剤イミグラン、ゾーミック、レルパックス、マクサルト、アマージ)は、血管を強力に収縮させ、さらに片頭痛を引き起こす痛みの物質をブロックする非常に有効なお薬です。片頭痛発作が起こり始めたらできるだけ早く服用してください。症状が進行してからでは効きにくい事があります。効果が弱い場合は2時間あけてもう1錠服用してもかまいません。もしこのお薬が全く効かない場合は、あなたの頭痛は「片頭痛」ではないか、「緊張性頭痛」など他の頭痛の要素を含んでいる可能性があります。その場合は異なった種類のお薬や注意が必要ですので早めにご連絡ください。


「片頭痛」の予防法

生活のリズムを整えることが重要

疲れ過ぎる前に一息いれ、ストレスコントロールを

疲れ過ぎる前に一息いれ、ストレスコントロールを

心身のストレスは片頭痛を招きやすく、特にストレスから解放されたときが要注意。一息つく余裕が大事。

片頭痛を誘発する食品を摂り過ぎない

片頭痛を誘発する食品を摂り過ぎない

赤ワイン、チーズ、チョコレート、ハム・ソーセージなどは、片頭痛を起こす可能性がある食品とされている。これらの摂り過ぎには注意する。

食事をきちんと摂る

食事をきちんと摂る

空腹と、それによって起こる低血糖は、片頭痛の引き金になる。朝は低血糖気味になりやすいため、パン1枚でも食べておくことが必要。

寝過ぎない、寝不足をしない

寝過ぎない、寝不足をしない

寝過ぎは片頭痛の誘因いなる。特に週末などに遅くまで寝ていると、空腹とも重なって、頭痛発作がよけいに起きやすい。

片頭痛を誘発する環境を避ける

片頭痛を誘発する環境を避ける

人ごみ、騒音、強い光、強烈なにおいなどの環境因子は、片頭痛のきっかけになる。日差しが強いときはサングラスをかける、外出は人の混雑が少ない時間帯を選ぶなど、できる範囲で環境因子を避けることが大切。

マグネシウムとビタミンB₂をしっかり摂る

マグネシウムとビタミンB₂をしっかり摂る

マグネシウムとビタミンB₂は、片頭痛の頻度を減らすとされる栄養素。マグネシウムは、ひじきやわかめなどの海藻類、大豆、ごま、アーモンド、ほうれん草などに、ビタミンB₂は、レバー、うなぎ、ぶり、牛乳、納豆などに豊富に含まれている。

ある種のハーブティーを飲む

ある種のハーブティーを飲む

ナツシロギク(フィーバーフュー)という、菊の一種のハーブの葉に、片頭痛の予防作用があるといわれている。これをふだんハーブティーにして飲むと、頭痛が楽になることもある。ただし、飲み過ぎは禁物。


「緊張型頭痛」とは

緊張型頭痛

緊張型頭痛は肉体的、精神的なストレスを原因としておこるもので、頭痛の種類として最も多いタイプです。くびから後頭部にかけての筋肉の血流が悪くなると、筋肉が収縮して「こり」を生じ、後頭部に頭痛が起こります。その筋肉や神経は、頭頂部、側頭部、こめかみ、目の奥や目の周囲、前頭部へ連続していますので、頭全体の鈍い痛みや頭重感が出現してきます。それがひどくなりますと、頭痛だけでなくめまいやふらつき、吐気といった自律神経症状が出現してくることもあります。頸部の筋肉内には多くの自律神経が存在しているからです。

また後頭部の神経の過敏性が生じ、「後頭神経痛」という電気が走るような鋭い痛みに悩まされることもあります(これには神経ブロックが有効です)。これらの頭痛は悪い病気の前触れではありませんし、命に関わることもありませんが、日常生活に支障が出てくることもありますので、たかが頭痛と思わず、きちんと治療し、予防していくことが大切です。

「緊張型頭痛」の5大原因

  1. 肩こり、くびのこり(体型、うつむき姿勢、クーラーの冷気が直接あたる、など)
  2. 精神的ストレス(悩み事、心配事、環境の変化など)
  3. 睡眠不足(寝つきが悪い、夜中に目がさめる、早朝に目がさめる)
  4. 眼精疲労(パソコン、読書、メガネが合わない、編物、事務などの細かい仕事)
  5. 運動不足(または、慣れない運動をしすぎた場合)

「緊張型頭痛」の治療、予防

  1. 5大原因をなくす工夫
  2. 肩、くび、腕のストレッチ体操
  3. 電気治療(温熱療法、筋肉刺激療法)
  4. お薬(筋肉の緊張をほぐす薬、痛み止め、精神安定剤など)

「群発頭痛」とは

数年に一度、ある一定の期間に集中して(数週間から数カ月)、連日のように(一日おきの場合もある)、同じような時間帯に(深夜や早朝が多い)耐え難いほどのきわめて激しい頭痛をきたす疾患です。

以下のような特徴があります。

  1. 男女比は6対1で男性に多い病気です。
  2. 平均群発期間は2カ月。平均周期は2年前後といわれています。
  3. 群発期間中アルコールを飲むと必ず誘発されます。
  4. 一側の眼窩部周辺、眼の奥が主に痛みます。
  5. 痛みの程度は激烈で、「ナイフで目の奥をえぐられるようだ」と表現されることもあります。
  6. 痛みの間はじっとしておれず、のたうちわまるような行動をとる人も多い。
  7. 発作時には流涙、鼻閉感、鼻みず、結膜充血、顔面紅潮などが現れます。
  8. 発作時の治療はトリプタン製剤の皮下注射、内服、純酸素吸入が有効です。
  9. 中でもトリプタン製剤の自己注射は早期に治療できるため、特に有効です。
  10. 純酸素吸入は毎分7リッター15分で効果が得られますがトリプタン皮下注射との併用が最も有効です。

ドクターズボイス/群発頭痛(松田脳神経外科クリニック)頭痛に関する総合情報サイト[ずつう.jp]