新型コロナウイルス感染の正しい怖がり方

新型コロナウイルス感染の正しい怖がり方

総理大臣が全国一斉休校を要請するという緊急事態になりました。感染症は人類が繰り返し繰り返し遭遇してきた最大の脅威です。中世ヨーロッパで猛威をふるったペストコレラ(21世紀の今も撲滅されていない)、チフス結核、1980年に撲滅された天然痘など枚挙に暇がありません。近代ではインフルエンザの大流行が人類を悩ませてきました。1918年のスペイン風邪では世界で5000万人が死亡し、日本でも当時5500万の人口に対し39万人が死亡していますし、1968年の香港風邪では100万人の死者を出しています。最近ではSARS(重症急性呼吸器感染症)の脅威が記憶に新しいところです。

新型コロナウイルスの経過

今回の新型コロナウイルスの経過を見ていますと、天然痘のように撲滅できるものではなさそうですので、現状ではインフルエンザの様な特効薬の開発を待つしかありません。震源地武漢とは無関係の発症が日本中で相次いでいるのですから、我々医療従事者を含め、もはや誰が罹患するかわからない状況です。つまり私たちは「個人個人が、自分の症状をどのように正しく怖がるか」という難題を突き付けられているわけです。人類史上初めての経験なのですから専門家といわれる人たちが不安定なコメントを出し続けているのも仕方ないことでしょう。

新型コロナウイルス感染の重要事項

日本感染症学会、日本環境感染学会が発表している提言の中から新型コロナウイルス感染の重要事項を抜粋し、私見を加えておきます。

  • この病気にかかると咽頭痛、頭重感、強い倦怠感、発熱(37.5度以上)、咳、痰、息苦しさなどの急性上気道感染症状が1週間続きます。しかし1週間も放置するのは怖いので、若い人でもこれらの症状が4日間続いたら最寄りの保健センターに連絡するべきです。
  • 高齢者は2日続いたら受診した方がいいでしょう。これはインフルエンザを疑った場合も同じです。
  • この病気は感冒のような症状が一週間続きますが、その間の全身倦怠感が非常に強いのが特徴です。これは一般の風邪とはかなり異なるので鑑別点になると思います。
  • 高齢者では重症化しやすいため、長期療養型施設内の感染には細心の注意が必要です。
  • 日常の予防策はインフルエンザと同じ「標準予防策」をとります(体温測定、接触予防、飛沫予防、除菌処置)。
  • アルコール消毒は非常に有効ですので、人の手が触れる場所には是非行うべきです。
  • マスクの効果は限定的です。咳などの風邪症状がある人はつけるべきでしょう。
  • 隔離、入院となっても特効薬はないので補液や対症療法が主体となります。
  • 日頃からの栄養管理、体力維持、睡眠で免疫力を高めておくことが予防や罹患後の経過を悪化させないために大切です。

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