新型コロナウイルス感染症が重症化しやすい低栄養高齢者

新型コロナウイルス感染症が重症化しやすい低栄養高齢者
ここに左カラムに表示させたい任意のテキストや画像タグを入力します。
ここに右カラムに表示させたい任意のテキストや画像タグを入力します。

新型コロナウイルスは高齢であるほど重症化しやすいのですが、さらにリスクが高いのは低栄養の高齢者と言われています。高齢者は咀嚼する力や嚥下力が落ち、また活動量も落ちるためどうしても食事の量が低下しがちです。その食事摂取量の低下がそのまま免疫力の低下に結びついてウイルス感染を重症化させるのです。

新型コロナウイルスに対抗する免疫力は、栄養状態で支えられていて、特に「筋肉量」が減少すると免疫能力が非常に落ちることが分かっています。十分な栄養に加え、簡単な体操などで筋肉量が落ちないようにしておくことがコロナ対策の面からも大切です。

低栄養を評価する

低栄養状態を評価するツールはいくつかありますが、GLIMという名前のツールが最近はよく使われています。ポイントは、❶体重減少 ❷低BMI ❸骨格筋量の減少(サルコペニア)の3項目。その原因としては、❶食事摂取量減少 ❷消化吸収能力の低下のどちらかが関与した場合に低栄養と判定されます。下の表をご覧ください。

低栄養の診断基準

感染予防に有効なビタミンは?

感染予防に有効なビタミンは?

もしウイルス感染が起こると、発熱などの炎症反応で大量のエネルギーとタンパク質が消費されます。免疫の基本であるタンパク質が一気に減少することで症状の重篤化を招きます。また、最近では「微量栄養素」(各種ビタミンや微量元素)の低下や欠乏がウイルス感染症発症に大きく関与していることが分かっていて、特にビタミンDが重要とされています。ビタミンDが多く含まれている食品は、サケ、サンマ、イワシ、サバ、ブリ、マグロなどの魚類。シイタケ、きくらげなどのキノコ類。牛乳、卵などです。また、ビタミンA(ホウレン草、ニンジン、春菊、ウナギ、レバー)や亜鉛などの微量元素も重症化に関わっているようです。

適度の運動の重要さ

適度の運動の重要さ

自粛期間が終わっても、気分的に外出を控える人は増えています。そこで、問題になるのが運動不足です。先ほども述べたように「筋肉量」と免疫力とには強い相関があります。筋肉が落ちてガリガリになってしまうと、サルコペニアという虚弱状態になり、免疫能が一気に落ちます。栄養のバランスとともに適度なエクササイズが必要です。私のクリニックの近くの団地は一人暮らしの方が多いので、この問題は大変深刻です。なるべくお友達と一緒にやってほしいのですが、今はそれが難しいご時世ですので、どうしても栄養、運動ともに不足がちになっています。毎日30分の運動をヘルパーさんやケアマネージャーのサポートのもと続けてもらうようにアドバイスしています。

関連記事

  1. いやな夢、ひどい寝言:レム睡眠行動障害

    いやな夢、ひどい寝言:レム睡眠行動障害

  2. 味覚の脳科学「おいしいと感じる仕組み」

    味覚の脳科学「おいしいと感じる仕組み」

  3. 帯状疱疹と顔面神経麻痺:(ラムゼイハント症候群)

    帯状疱疹と顔面神経麻痺:(ラムゼイハント症候群)

  4. 色々な症状に悩まされる低血圧症(1)

    色々な症状に悩まされる低血圧症(1)

  5. 腋窩多汗症(ワキ汗)のボツリヌス療法

    腋窩多汗症(ワキ汗)のボツリヌス療法

  6. サルコペニア肥満のよもやま話

    サルコペニア肥満のよもやま話

ピックアップ記事

  1. 子供のスポーツと脳震盪(のうしんとう)
  2. 新型コロナウイルス感染の正しい怖がり方
最近の記事 おすすめ記事
  1. 西暦2030年の新型コロナ
  2. 「コロナうつ」と言われたら。
  3. 新型コロナ、1年間で見えてきたこと「症状からワクチンまで」
  4. 中高年の尿トラブル(2)
  1. 帯状疱疹と顔面神経麻痺:(ラムゼイハント症候群)
  2. 子供が頭を打った(頭部打撲)時の確認手順
  3. 「運転したい」高齢者VS 「やめてほしい」家族
  4. 片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」
  5. 幼児、小児の頭部打撲とCT検査

記事一覧

  1. 子供の「ぶよぶよたんこぶ」と「固いたんこぶ」いつ治る?
  2. 幼児、小児の頭部打撲とCT検査
  3. 「運転したい」高齢者VS 「やめてほしい」家族
  4. 帯状疱疹と顔面神経麻痺:(ラムゼイハント症候群)
  5. 腋窩多汗症(ワキ汗)のボツリヌス療法
PAGE TOP