新型コロナ感染で残る神経系の後遺症

新型コロナ感染で残る神経系の後遺症

肺炎や呼吸器感染症としてまれに重症化することがある新型コロナウイルス感染症ですが、神経系への悪影響についてもいろいろなデータが集積されるようになってきました。国の感染症指定機関神戸中央市民病院では重症例と非重症例に分けて神経系の症状や後遺症について検討をおこなっています。

重症例36例は高濃度酸素吸入が14例、人工呼吸器装着が21例、死亡7例。これらの症例は主に高齢者で、高血圧症、糖尿病、慢性腎臓病を持っている人たちに高率でした。臨床症状では発熱76%、咳66%が主体なのですが、それ以外に神経的症状が44%もみられています。症状は頭痛、高次機能障害(記憶障害など)、嗅覚障害、味覚障害、意識障害、四肢筋力低下などです。これらの神経症状は重症のコロナ感染症ほど高率なのですが、感染症の初期に出現することもありますので早期発見をするうえで重要なポイントです。画像診断上はMRIで脳に微小出血や脳血流の低下が描出されています。

最近問題になっているのは新型コロナの後遺症です。重症例から回復した症例に認知機能検査を行うと31%に高次機能障害が認められたということです。高次機能障害には記銘力障害(物の置き場所や新しい出来事を覚えられない)、失語症(思ったことをスムーズに話せない、相手の話を十分理解できない)、注意障害(ぼんやりしてミスが多い、作業を長く続けられない)、遂行機能障害(いつも約束の時間に遅れる)、社会的行動の異常(興奮性、易怒性、自己中心性)などが含まれます。これらの後遺症が就業や日常生活に支障をきたし、社会復帰の障害となる可能性が心配されています。

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