サプリメントとは?見逃せない副作用

最近、日本もサプリメント王国となり、国内市場は5000億円と言われています。しかし、うたい文句の鵜呑みにしてむしろ身体に害を及ぼすケースが増えているのも事実です。東京都が医療機関に対して行ったアンケートでは、「サプリメントが原因で体調を崩したと思われる患者を診た事があるか。」という質問に対し、2割の医師がイエスと答えています。科学的根拠のないサプリメントによる健康被害者は確実に増えているのが実情なのです。

人間の身体は五大栄養素によって維持されています。ですから基本であるその栄養素が不十分なままで、肌にいいといわれるサプリメントを摂取しても無意味です。毎日の有酸素運動によってカロリーを燃焼させなければダイエットも成功するはずはありません。摂取するだけで健康になったりダイエットが成功する物質など存在しないのです。

食事や運動など生活の基本を整えた上で、どうしても不足していると思われる成分だけを適量摂取する。そういう賢いサプリメントとの付き合い方が求められているのです。そこで人気サプリメントの注意点をまとめてみました。

サプリメントの種々の害から身を守る参考にしてください。


ビタミン

2001年に厚生労働省がビタミン12種類を「栄養機能食品」に指定。厚生労働省の摂取量基準を守ればまず心配はない。摂取しすぎても多くのビタミンは水溶性であるため、尿と共に体外に排出される。ただしビタミンA、D, Eは脂溶性ビタミンなので過剰成分が体内に残ってしまうので注意が必要。

ビタミンEに関しては埼玉県生活科学センターの調査で、1日当たりの必要量を上回るサプリメント商品が多く、過剰摂取に注意を呼びかけている。米国心臓学会はビタミンEの過剰摂取が心臓による死亡率を高めていると報告している。

ビタミンCに関しては過剰摂取によって微量元素の銅の吸収を妨げたり、カルシウムと結びついて結石ができやすくなるといわれる。
体内でビタミンAとなるベータカロチンは、がん予防効果が強調されてきたが、過剰摂取により肺がんの発病リスクを高めることがわかっている。

ビタミンB2は過剰摂取によりうつ病を引き起こすというデータもある。


ミネラル

現代人に不足している栄養素で、食事では積極的に摂取する方が良い。しかしサプリメントによるカルシウムの摂り過ぎには注意が必要。1日4000mg以上を長期間摂ると、肝機能障害、便秘、結石などの障害をきたす。ミネラルは多すぎても少なすぎても良くない。サプリメントを飲む場合は「栄養機能食品」の表示に定められている摂取量を守る事が大切。


ポリフェノール

フランス人に動脈硬化が少ないのは、赤ワインに含まれるポリフェノールのためであるという説で有名になった物質だが、これも過剰摂取は害をもたらす。

ポリフェノールの一種であるイソフラボンについては食品安全委員会が、妊婦や乳幼児、小児への摂取に関しては安全性が確認されていないので「摂取しないよう」注意表示を行った。イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンとして作用するため、更年期障害や骨粗鬆症に対する効果があるとされる。しかし、過剰になると体内のホルモンのバランスを破壊し、いわゆる内分泌かく乱(ダイオキシンなどで知られる)を起こすというデータも多数発表されているので注意が必要。

お茶に含まれ、抗酸化作用、血液凝固抑制作用があるカテキンは摂りすぎると鉄の吸収を抑え、貧血を来たす可能性がある。

リコピン、ルテイン、アントシアニンなどは過剰摂取により便秘や吐気を来たす。


アミノ酸、その他

科学的に証明されているアミノ酸の効能は、疲労回復、免疫力アップ、肝機能サポートなどである。従ってアミノ酸自体に脂肪燃焼効果もなくダイエット効果もない。ダイエットのためにはアミノ酸摂取と共に十分な有酸素運動をしなくては効果はない。

アミノ酸入り飲料は糖分が含まれており、過剰摂取によりカロリーオーバーになりやすい。

血栓予防やコレステロール低下で知られるEPADHAも、食事で摂る範囲では積極的に摂取した方がいいが、1日3g以上摂ると、血液凝結能が低下しすぎ、出血を起こしやすくなる。

脳循環改善、心筋梗塞予防効果などがあるとされるイチョウ葉系サプリメントや食品はアレルギー物質であるギンコール酸が含まれており、湿疹や下痢などの健康被害が多く報告されている。

肝機能強化などで用いられているウコンはこれに含まれるクルクミンにより腹痛や頭痛が引き起こされるので過剰摂取には要注意である。


(参考資料・厚生労働省安全部報告事例、国立健康栄養研究所データ)

関連記事

  1. 早期パーキンソン病の治療

    早期パーキンソン病の治療

  2. 「アルコール依存症」と「うつ病」の危険な関係

    「アルコール依存症」と「うつ病」の危険な関係

  3. 数億の命を救った薬「イベルメクチン」

    数億の命を救った薬「イベルメクチン」

  4. コカイン中毒と社会

    コカイン中毒と社会

  5. 原因は脳の炎症「慢性疲労症候群」

    原因は脳の炎症「慢性疲労症候群」

  6. 急に出現し上行する両足の脱力・ギランバレ―症候群

    急に出現し上行する両足の脱力・ギランバレ―症候群

ピックアップ記事

  1. 「子供への虐待による外傷」の特徴を探る
  2. 子供が頭を打った(頭部打撲)時に気をつけること
最近の記事 おすすめ記事
  1. スマホと学業成績の関係が明らかに
  2. 猛暑の中の脳梗塞、救急車を呼ぶタイミング
  3. 認知症患者の不機嫌さと体調不良
  4. スポーツ顔面外傷の注意点
  5. 帯状疱疹後神経痛(PNH)
  1. 片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」
  2. 子どもの頭部打撲「固いたんこぶ」「ぶよぶよたんこぶ」
  3. スポーツ顔面外傷の注意点
  4. 子供が頭を打った(頭部打撲)時の確認手順
  5. 高齢者の頭部打撲でおこる「慢性硬膜下血腫」について

記事一覧

  1. 「子供への虐待による外傷」の特徴を探る
  2. 頭部打撲による「外傷性髄液漏」とは
  3. 子供が頭を打った(頭部打撲)時に気をつけること
  4. 帯状疱疹と顔面神経麻痺:(ラムゼイハント症候群)
  5. 子供が頭を打った(頭部打撲)時の確認手順
PAGE TOP