幼児、小児の頭部打撲で気をつけること

子供の頭部打撲についてはいくつかの誤解があります。まず、その有名な誤解を解くことから始めましょう。

幼児、小児の頭部打撲で気をつけること

誤解1 たんこぶができたから安心。できなかったからアブナイ。

たんこぶは「皮下血腫」と言い、打撲で頭皮下の血管が切れてそこに血液がたまってできるものです。ですから、一般的には打撲の衝撃が強ければできやすいですし、弱ければできにくいのです。非常に大きなタンコブができた場合は、頭蓋骨骨折なども考えなければなりませんので、詳しい検査が必要になります。タンコブもないような打撲は、通常は心配ないことが多いのです。


誤解2 血が出たから安心。出なかったからアブナイ。

出血の有無とケガの重症度とはあまり関係はありません。出血があるということは、皮膚になんらかの傷を負っているということですから、もしかすると縫合する必要があるかもしれません。また、細菌感染を起こして化膿しないように抗生物質の内服が必要かもしれません。血は出ない方がいいに決まっているのです。頭部の出血は小さな傷でも出血量が多く、家族も本人も不安を感じやすいので、そのような場合は受診して頂く方がいいでしょう。

「血が出なかったから血液が頭の中に溜まっているのでは?」。と心配する方もおられますがこれも全く根拠のないことです。万が一重症の打撲で頭蓋骨よりも内側に血液がたまったとしても、それが皮膚の傷から出てくることなどありえません。脳内出血と皮膚からの出血は無関係です。


誤解3 泣いたから安心。吐いたらアブナイ。

幼児の頭部打撲では、激しく泣いて泣き疲れて寝てしまうのが普通です。泣きながら嘔吐することもよくあります。目覚めたあと、元気になりおなかがすいているからといってあまりたくさん与えすぎると、再び吐いてしまうことになります。打撲後で気分がすぐれない時には、消化の良いものを少量食べさせてあげるようにしましょう。子供の嘔吐中枢は敏感ですので、打撲後に吐くこと自体は特にアブナイことではないのです。

泣いたから安心、泣かないと心配。この迷信はどうでしょうか。これは全身の状態から判断することが大切です。通常は泣かない程度の打撲は心配ないと考えていいでしょう。もし、泣く事も出来ないほどの重症ならば、意識状態もかなり悪いはずですのでもちろん一刻を争う事態です。


では、頭部打撲後、どういう状況が要注意なのでしょうか。

意識状態の悪化

打撲した日の夜は、意識状態の変化に注意しておいてください。もうろうとしてきたり、呼びかけても目を覚まさない、急にぐったりとしてきて顔色が悪くなった、などの変化があった時は要注意です。打撲翌日、機嫌が良くなり元気に遊んでいるようならもう心配いりません。

ひきつけ

打撲がきっかけになって、全身痙攣などを起こしたときは、要注意。すぐに検査を受けさせてください。

容態に変化があり判断に悩まれたときはすぐに受診してください。