日々進化する頭痛診療と頭痛外来の役割

長年、頭痛で悩んでいるのに頭痛外来にかかったことのない方の多くは「昔からこれが私の体質だから」「市販薬でなんとかしのげるから」「生理の時に頭痛がおこるのは仕方ないことだから」という諦めの心境になってしまっています。しかし、頭痛診療は日々進歩しています。今の頭痛がどれくらい日常生活に、もっと言えば自分の人生にマイナスになっているかを客観的に評価し、正しい診断と治療を受け、「頭痛のない毎日」を過ごして欲しいと思います。頭痛外来の役割はそこにあるのです。

片頭痛 – 正しい治療法

たとえば、代表的な頭痛「片頭痛」。仕事や日常生活に大きな支障が出るつらい頭痛発作を月に何度も繰り返す病気です。この片頭痛を市販の薬で適当に抑えようとすると、薬物乱用性の頭痛になってしまったり、「慢性片頭痛」という切れ目のないつらい頭痛に進行していきます。生理の時に決まって起こる頭痛を「生理痛の一種」と考えて手持ちの薬で対応していると、服薬量がどんどん増えていきます。生理中の頭痛は「片頭痛」である可能性が高いので、正しい薬を選択しなくてはいけません。片頭痛にはこれに特化した鎮痛剤や予防薬があります。最近ではひと月に一度の注射で片頭痛の頻度を大きく減らすことのできる画期的な予防注射療法もあります。頭痛のない生活を過ごすために、体質だと諦めないで、気軽に相談して頂ければと思います。

ピックアップ記事

  1. 子供が頭を打った(頭部打撲)時の確認手順
  2. 子供が頭を打った(頭部打撲)時に気をつけること
頭痛関連記事
最近の記事 よく読まれている記事
  1. 新しい認知症治療薬「レケンビ(レカネマブ)」Q&A
  2. さまざまな失神
  3. 中高年の理想的なダイエット
  4. 持続性知覚性姿勢誘発性めまい
  5. 鎮痛剤の使い過ぎによる頭痛(頭痛外来でまずは正しい診断を)
  1. 新型コロナウイルス感染の正しい怖がり方
  2. 片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」
  3. 帯状疱疹と顔面神経麻痺:(ラムゼイハント症候群)
  4. 子供が頭を打った(頭部打撲)時に気をつけること
  5. 高齢者の頭部打撲でおこる「慢性硬膜下血腫」について
PAGE TOP