小児(子供)の頭痛

小児の頭痛

頭痛を訴える子供が増えています。

子供のストレスの増加、少子化や親の育児不安など種々の原因があるようです。こどもが頭痛を訴え続けると、脳の病気ではないかと親は心配になります。そういう場合、脳の検査を受けさせ、親がひとまず安心することが必要です。そうしないと、親と子の間でいつまでも心配のキャッチボールが続くことになり、こどもの頭痛は軽減しません。

異常がないことがはっきりしたら、そこで落ち着いて頭痛の原因を考えてみましょう。本当に自分の大好きな事、ゲームや運動もできないくらい痛んでいますか。最近何かきっかけになる出来事はありませんでしたか。何かをアピールしている可能性はありませんか。環境の変化はありませんでしたか。環境に適応できていない様子はありませんか。

そのような精神的な原因でおこる頭痛を「心因性頭痛」といいます。小児の頭痛で最も多いのがこの心因性頭痛なのです。

このような患児は比較的従順でわがままを言わずに内面にストレスを抱え込む傾向があります。そのため、頭痛だけでなく、腹痛や腕や足や色んな部位の痛みを訴える事もあります。いくら検査をしても異常はありません。親と言えども子供のストレスの原因を探るのは容易ではありませんが、お子さんの「頭痛の種」がどこにあるのか、一度向き合って考えてあげてください。

一方、心因性頭痛でなく器質的な異常が発見された場合、早急にその病気を治療する事は言うまでもありません。よく見られるのが副鼻腔炎で、風邪の後やアレルギー性鼻炎のある子供に起こります。鼻閉感、鼻汁、前頭部痛などが特徴です。風邪による熱発や中耳炎、頭部打撲による痛みなど、小児の頭痛も原因は様々です。あまり続くようでしたら一度精密検査を受けられると良いと思います。

関連記事

  1. 片頭痛の自己診断法(正しく診断して適切な治療を)

    片頭痛の自己診断法(正しく診断して適切な治療を)

  2. 薬の飲みすぎで起こる頭痛:「薬物乱用頭痛」

    薬の飲みすぎで起こる頭痛:「薬物乱用頭痛」

  3. 緊張型頭痛について

    緊張型頭痛について

  4. 損失2800億円の片頭痛

    損失2800億円の片頭痛

  5. 片頭痛と脳梗塞

    片頭痛と脳梗塞

  6. 片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」

    片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」の診断基準とは

ピックアップ記事

  1. 高齢者の頭部打撲でおこる「慢性硬膜下血腫」について
  2. 帯状疱疹と顔面神経麻痺:(ラムゼイハント症候群)
新着記事 おすすめ記事
  1. 日本人の慎重遺伝子
  2. 損失2800億円の片頭痛
  3. 頸椎症でおこる歩行障害
  4. 脳科学から考える「浪費脳」と「貯蓄脳」
  5. 新型コロナではない風邪のこと
  1. 頭部打撲による「外傷性髄液漏」とは
  2. 腋窩多汗症(ワキ汗)のボツリヌス療法
  3. スポーツ顔面外傷の注意点
  4. 子供(乳幼児)の頭部打撲:ぶよぶよたんこぶの対処法
  5. 「運転したい」高齢者VS 「やめてほしい」家族
PAGE TOP