早期パーキンソン病の治療

早期パーキンソン病の治療

当院で初めて診断される患者さんは、比較的早期のパーキンソン病の方がほとんどです。パーキンソン病はその病状の重さから5段階に別けられていますが、そのうちⅠ段階からⅡ段階の方が大半を占めますので、薬物による治療効果が十分に期待できます。もし胃腸症状などの副作用があった場合はご連絡ください。どのような薬物を用いて治療を行ってゆくかをご説明します。

ドパミン受容体刺激薬

パーキンソン病は脳内にドパミンが不足している病気ですので、それを直接補うのが最も理にかなっているのですが、長期に内服する場合は、副作用が少なく、半減期が長い(長時間効果がある)ドパミン受容体刺激薬をまず用います。間接的にドパミンを増やすお薬です。

薬品名 ミラペックスLA(胃腸障害が少なく効果が早いため使いやすい、効果時間が長い)、カバサール、ペルマックスなど
投与法 副作用が出ない様に始めは少量から始め、徐々に増量してゆき、約2ヶ月くらいかけて標準量にもっていきます。

L-ドーパ製剤

不足しているドパミンを補う薬です。やや進行した方や70歳以上の高齢者では初めからこの薬を使う事もあります。またドパミン受容体刺激剤が使いにくい場合や、単独では効果が不十分な場合はこのグループの薬剤を併用します。

薬品名 ネオドパストン、メネシット、ネオドパゾール、マドパー、ドパストンなど。
副作用 wearing off(ウェアリング オフ)
現象 薬効時間が短縮し、内服後数時間たつと効果がなくなる状態。
対策 投与間隔を短縮したり、他のグループの薬を併用したりします。

その他のグループ

このグループの薬も症状によって併用することがあります。

ドパミン遊離促進剤

薬品名 シンメトレル(A型インフルエンザにも効果あり)

モノアミン酸化酵素阻害薬

薬品名 エフピー(Lドーパ剤と併用する)

抗コリン薬

薬品名 アキネトン アーテン

ノルエプネフリン前駆物質

薬品名 ドプス(すくみ足に有効)

関連記事

  1. 最もよくみられるめまいの病気「頭位めまい症」

    最もよくみられるめまいの病気「頭位めまい症」

  2. パニック障害の対処法

    パニック障害の対処法

  3. 中高年の尿トラブル(1)

    中高年の尿トラブル(1)

  4. 感染性胃腸炎:ノロウイルス感染症

    感染性胃腸炎:ノロウイルス感染症

  5. 高齢者の「静かなてんかん発作」―最近のケースからー

    高齢者の「静かなてんかん発作」―最近のケースからー

  6. 血圧147mmHgは正常?人間ドック学会の基準値の意味

    血圧147mmHgは正常?人間ドック学会の基準値の意味

ピックアップ記事
  1. 子供の「ぶよぶよたんこぶ」と「固いたんこぶ」いつ治る?
  2. 「子供への虐待による外傷」の特徴を探る
頭痛関連記事
最近の記事 よく読まれている記事
  1. 発達障害の脳科学4(ADHDのメカニズム)
  2. 発達障害の脳科学3(ASDのコミュニケーション障害)
  3. 発達障害の脳科学2(脳内で起こっている事)
  4. 発達障害の脳科学 その1(特徴と分類)
  5. 血液でわかるアルツハイマーの最新早期診断
  1. 片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」
  2. スポーツ顔面外傷の注意点
  3. 新型コロナウイルス感染の正しい怖がり方
  4. 「運転したい」高齢者VS 「やめてほしい」家族
  5. 子供が頭を打った(頭部打撲)時に気をつけること
院長ブログ
アーカイブ
PAGE TOP