雑感 世紀のワクチン狂騒曲開幕

雑感 世紀のワクチン狂騒曲開幕

一度目の期待は2020年への期待でした。2019年、日本は多くの災害に見舞われました。激甚災害に指定された8月の九州豪雨、台風19号、20号による関東地方の被害は凄まじいものでした。私たちはこれ以上の災害は勘弁してほしいと願い、「東京オリンピック」という魔法の言葉に酔いしれながら2020年を迎えたのでした。ところがその期待は大きく裏切られます。扉を開けるとそこには疫病という想像だにしなかった底なし沼が広がっていました。

疫病さなかの2020年9月、総理大臣が変わりました。二度目の期待は新しい為政者への期待でした。白々しい嘘にまみれ、すっかり言葉に重みを無くしてしまった前首相が退き、今度は何かしら勇気を与えてくれるかと思いきや、再び期待は裏切られ、重みどころか心すら感じられない棒読みの演説が続いています。やっとのことで緊急事態宣言を出した当日、延長の可能性を問われると「仮定の質問にはお答えを控えさせていただきたい。」と彼は言い放ちました。官房長官時代、その決まり文句で数々の窮地を脱してきたのでつい口癖が出てしまったのです。でも国民相手に使うべき言葉ではなかった。あの冷たい響きには大いに失望させられました。国会では蓮舫議員にやりこめられていましたが、元キャスターの様にしゃべれるはずもなく、口下手ならむしろトランプを見習って素直な気持ちをツイートした方が伝わるかもしれません。ちなみに蓮舫さんには菅さん型老人にはね、もっと優しく諭した方が有効だよ、顔が怖すぎるよとアドバイスしたいものです。

さて、やっと本題。三度目の期待はワクチンです。河野太郎行政改革大臣がワクチン担当大臣に任命され、日本でもやっと本格的な対策が始まりました。1月29日、イギリスがEUにワクチンの出荷を渋りEU議長が激怒。世界中でワクチン取り合い合戦の始まりです。2月17日、周回遅れで日本でもワクチン接種が始まり、2月末にはイスラエルでの希望に満ちた予防効果が発表されました。

ワクチン接種は任意とは言え、医療従事者が拒否できる空気ではありません。ワクチンを打ってハイジャンプできる無敵スーパーマリオになれるのか、副作用が想定外の頻度で出てしまうのか、予断を許さないワクチン接種になりそうです。今後どんな新たなウイルスパンデミックが地球を襲うのか、いつ生物兵器攻撃に遭うのかもわかりません。そのためには日本にはもっと本格的な国立感染症センターを、莫大な資金を掛けて作っておく必要があります。ワクチン専門の施設や専門家を育成し隔離治療ができるシェルターなどのインフラを確立する必要があります。この期に及んでまだ日本は幸せボケから脱皮できないのです。オリンピックの膨大な経費は今はそのために使われるべきです。これから1年にわたり行政と医師会がタッグを組んで行われるこの一大プロジェクトが成功し、博多の人たちが「コロナ?ただの風邪やろ」と中洲大通りを闊歩できる日が来ることを願ってやみません。

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