鎮痛剤の使い過ぎによる頭痛(頭痛外来でまずは正しい診断を)

鎮痛剤の使い過ぎによる頭痛(頭痛外来でまずは正しい診断を)

薬の飲みすぎで起こる頭痛はかつては「薬物乱用頭痛」と呼ばれていましたが、現在は「薬剤の使用過多による頭痛」と呼び方が改められています。もともと人間の体には痛みを抑える仕組みが備わっているのですが、鎮痛剤を飲みすぎると薬に甘えて本来の働きが弱くなり、薬が常に体に入っていないと頭痛が起こるという状況になっていきます。「頭痛があるから薬を飲んでいるのに、頭痛外来に来たら薬を飲まないように言われた。」と予想外の表情を浮かべる方もおられますが、脳が痛みに過敏になってしまったその体質を変えないと、いつまでもその状況から脱却することはできません。

正しい診断:片頭痛と緊張型頭痛の分岐点

この病態に陥る重要な原因として、肩こりからくる締めつけられるような両側性の頭痛が、正しく「片頭痛」と診断されず、慢性頭痛の代表「緊張型頭痛」と診断された結果、だらだらと鎮痛剤を飲み続けている可能性があります。片頭痛と正しく診断され、その特効薬を片頭痛発作時に使うだけで多くの方がこの状態から脱することができます。日頃から飲みすぎている鎮痛剤の中にはカフェインや精神安定剤が入っていることがあり、依存性になっているというのも一因です。薬剤の使用過多から脱する一般的な道筋を下に示します。

鎮痛剤の使い過ぎによる頭痛(頭痛外来でまずは正しい診断を)

関連記事

  1. 小児の頭痛

    子供の頭痛は心因性が多い?原因と対処法とは

  2. 群発頭痛について

    群発頭痛とは?原因や症状、治療法について

  3. 「福岡頭痛外来ネットワーク」のこと

    「福岡頭痛外来ネットワーク」について

  4. 片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」

    片頭痛にめまいが合併する「前庭性片頭痛」の診断基準とは

  5. 緊張型頭痛について

    緊張型頭痛について

  6. 頭痛外来で見逃せない「雷鳴頭痛」

    頭痛外来で見逃せない「雷鳴頭痛」

ピックアップ記事
  1. 子供が頭を打った(頭部打撲)時に気をつけること
  2. 子供のスポーツと脳震盪(のうしんとう)
頭痛関連記事
最近の記事 よく読まれている記事
  1. 「加齢」と「ふらつき」と「トレーニング」
  2. 「福岡頭痛外来ネットワーク」のこと
  3. 発達障害の脳科学4(ADHDのメカニズム)
  4. 発達障害の脳科学3(ASDのコミュニケーション障害)
  5. 発達障害の脳科学2(脳内で起こっている事)
  1. 子供のスポーツと脳震盪(のうしんとう)
  2. 頭部打撲による「外傷性髄液漏」とは
  3. 子供が頭を打った(頭部打撲)時に気をつけること
  4. 高齢者の頭部打撲でおこる「慢性硬膜下血腫」について
  5. 子供が頭を打った(頭部打撲)時の確認手順
院長ブログ
アーカイブ
PAGE TOP